これからのECの成功はパーソナライズが鍵をにぎる

2022.09.16

ECはビジネスにとってもはや欠かすことのできない存在です。今、それぞれのECサイトは特徴を出すことが求められています。その一つとして注目を集めているのがそれぞれのユーザーに合わせたパーソナライズです。

ここではパーソナライズになぜニーズがあるのか、そして、どんな機能が実用化されているのかを紹介し、私たちが送り出したtri-coを使うパーソナライズでのメリットも解説します。

直接接客できないECこそ、個人に向き合う必要がある

この20年でWEBショッピングは劇的に変化しました。もっと踏み込んだ発言をするならWEBに限らず買い物という行為自体に大きな変化が起きました。

もちろん、そこにはECの存在あってこそですが、ECにだけ注目してもやはりそれは劇的です。いまだAmazonや楽天などのモール型ECはもちろんですが、その他のインディペンデントなWEBでも商品ラインナップや販売方法、サービスなどの広がりは凄まじいものがあります。

そして、WEBで買えないものはもはやない状況ともいえます。

その結果、買い物をする時の選択肢は莫大な量になりました。今や同じような商品が必ずどこかに出ているという状況になっています。そのため、ユーザーは商品を単純に購入する時は価格の比較だけでなく様々なことを判断し「好きなブランドから買う」という傾向が強くなっています。

ECだけでなく、すべてのビジネスの成功において、ユーザーと適切な距離感で存在し、好かれるブランドになることはとても重要なビジネス課題の項目です。そしてユーザーの行動を決定する大きな要素として”そのブランドが好き”ということがあります。

今までECによるBtoCではユーザーと直接触れ合えないことは大きな弱点と考えられてきました。対面であれば可能であった商品に対するナビゲーションなど、当意即妙な対応がECでは容易ではないからです。

人から買うという行為には実際に裏に非常に多くのことが隠されています。直接の接客では商品ではなく人にお客さんがついているケースはとても多く、販売者それぞれにノウハウがあります。そこには画一的ではない人と人の交流があります。

ECサイトではこうした部分に対しもっと別の視点、別の手法で顧客へアプローチすることについて積極的に取り組んでいく流れがあります。これがいわゆるマーケティングの一部になっています。マーケティングは実践とその結果の繰り返しからある程度確からしいものを取り入れているビジネスノウハウでもあります。

例としていえば積極的なレコメンドの表示を大手が展開するモール型ECで多くの人が体験しているはずです。また、モール内の閲覧履歴から、リターゲティング広告でネットサーフィン中に接触を試みてくることは当たり前になってきました。

今、人間の経験によって行われていることに代わって、可能な限り膨大なデータを使って迫ろうというチャレンジが行われている時代がきています。その最前線のひとつがECです。また、ECサイト同士の競争も激しくなっています。ECサイトはただ商品を陳列しているだけでは、ますます生き残りは難しくなってきているということも背景にあります。

こうしたデジタルマーケティングについてはビッグデータの存在は大きなものです。しかし、必ずしもビッグデータに頼ることがすべてではありません。それぞれの顧客とECプラットフォームの運営側がいかに接触面を増やし、サイトへの訪問回数を増やしたり滞在期間が伸ばせるのかを考えることで、関連する事項の中で常に第一選択肢として存在していくための努力を続けることが大切です。

選んでもらう可能性を積み上げていくための作業を行なっていきます。

例えば扱う商品に関することであればすぐに連想されることはビジネスにとってとても重要です。これはつまりブランディングですが、それは画一的なものではありません。

「ロゴを見て連想する」「ブランドコンセプトを聞いて連想する」ということだけではなく、生活の中にいかに取り込んでもらえるかを工夫することで、よりユーザーは快適になり、セラーは販売しやすくなる環境を作っていきます。

ユーザーにとってはそれぞれの好みの距離感や使い方があります。そうした部分に考慮しながらユーザーの中に常に存在し続ける環境をいかにつくっていくかがECのBtoCではこの先の大きな課題になってきました。こうしたパーソナリゼーションはとても工数が必要なことです。

ですので、テクノロジーの活用は必須といえます。ECプラットフォームにはこれができる機能を備える必要がある、ということになります。

このような、より1対1に近い状況をビジネスに生み出すことをone to oneマーケティングという呼び方をしたりもします。単純にサイト側が合わせるだけでなく、ユーザーが自ら進んで設定し使い勝手を改善していくというケースもあります。

ユーザーが選択していく場合は「カスタマイズ」ということになります。これはパーソナライズと合わせてECサイトには個人を見つめた柔軟性が必要ということを如実に示すものになっています。

つまり、ブランディングを行っていくことと同時に、より個人の趣向に寄り添える場の提供をすることがこれからのECの大きなテーマなのです。

コンテンツマーケティングとパーソナライズ

コンテンツマーケティングでは広く情報を届けるという目的がまずあります。ECサイトであればこうしたコンテンツがセッション数を増やします。

一方でニッチな情報も必要であるということを忘れてはいけません。SEOでのセッション向上を謳って業務を請け負う事業者は多くいますが、そうした事業者が対応できないのがこうしたニッチな情報の提供によるコンテンツです。

こうしたコンテンツはセッション数に現れにくく、また、内容がコンバージョンしにくい場合は数字で捉えることは難しくなります。

しかし、ユーザーの心を掴んでいくにはこうした情報を提供するコンテンツが重要です。コンテンツマーケティングが時間がかかる理由はそうした部分にもあります。顧客との結びつきを強めるキーワードは単純に検索ボリュームだけでは測れないため、様々な情報を発信していかなければなりません。

アプリや機能を使ってパーソナライズを実現する

ECサイト上での個々の接客は難しいと考えている人は少なくありません。実際に実店舗でできるようなことをイメージするととても難しいように思います。しかし、ECでのパーソナライズは接客のバーチャル化を目指して模倣していくものとは違う部分もあることを先にお伝えしておく必要があります。

デジタルマーケティングでは実店舗での接客と被る部分ももちろんありますが、若干目指す方向性は変わってきます。しかし、テクノロジーを活用したレコメンドのアプローチや、MAなどによる必要と思われる人へ必要な情報を適切なタイミングで伝える機能などは、人力でやると膨大なエネルギーを要する作業を自動的に実施してくれる作業です。

中には設定の難しいものやデータ収集が必要な作業もありますが、こうした機能をECプラットフォーム上で動かすことで今までとは違うEC環境を築き上げていくことができます。これはサイトの運営側だけではなく、ユーザーにとっても、絶妙に痒いところに手が届くようになっていくのです。

ではパーソナライズなどユーザーの利便性を上げ、ECプラットフォームとの親密度を高める一般的な機能を紹介していきます。

チャットとチャットボット、そしてLINE

ここ数年でチャットをECに導入するサイトは非常に多くなりました。実際にリアルタイムで対応が可能なチャットはユーザーへのニーズが高い機能です。一方でチャットを完全にマニュアルで実施する場合はマンパワーが必要になります。

それはECがうまくいくほど加速度的に工数が増えていきます。

反響営業型のECであれば親和性が高いものですが、インディペンデントのビジネスでは、チャットをそのまま導入すると非常に高負荷な機能になります。そのため導入に二の足を踏んでいた企業も少なくありません。

こうした状況を劇的に変えたのがチャットボットの存在です。基本的にはコールセンターの音声ガイダンス選択をボットのリアクションに置き換えたものですが、これによって設置者にとっても負担軽減が可能になり、導入するメリットがデメリットを上回る状況が作れるようになってきました。

これを高機能化させてECで活用されているのがLINEです。

LINEは日本国内に多くのユーザーを抱えるSNSであり、通信アプリです。ほぼオフィシャルな場でも活用される場面が増えてきました。通話も可能でその場合の通話料は電話のような形式での課金がありません。そのため膨大な数のユーザーを抱えています。

このメッセージ機能をチャットのように組み込み、そのままカートまで誘導することも可能です。使い慣れたインターフェースであること、そしてマーケティング的に拡散にも強いことで非常に注目されているツールになっています。

ここまではone to oneマーケティングですが、自動応答を使うことでパーソナライズ化の領域に話が入っていきます。

ビジネス用に自動応答を組み混んで使うECサイトも増えてきました。ユーザーの出すアクションに合わせてナビゲーションを自動で変更していくことで、双方の通信者の手間を飛躍的に減らしていくことができます。組み込んだリアクションで対応しきれない部分から実際の担当者が引き継ぐことで対応を検討する時間を設け、また、問合せ者は必要なことを伝えることが可能になり、応対の手間を省くことができます。

チャットとMAを組み合わせてボットのリアクションを変化させたり、ユーザーサポートに使う場合も増えてきました。基本情報まではボットがユーザーから引き出し、最終的な回答を人力にすることで、ユーザーにも運営側にも負荷の少ない安心した環境を構築することが可能になっています。

ロイヤルカスタマー化を進めるCRMとMA

ECをパーソナライズすることで狙える大きなことの一つに顧客の優良顧客化があります。いわゆるロイヤルカスタマー化ですが、逆の言い方をするならば、ロイヤルカスタマー化をシステマチックに行うのであればパーソナライズを機能として持つことは避けて通れません。また、これを行うことができるのはECの大きなメリットでもあり、今後はやらないという選択肢は少なくなっていくと考えられます。

まずそのためには、しっかりとしたCRMがあるということが重要です。顧客の情報をしっかりと蓄積し、また引き出せるということが重要です。どういった商品をどういったタイミングで購入しているのかを知ることはお客様によりそう第一歩です。

一人一人のお客様のニーズをシステムで把握することは売る側、買う側双方にメリットがあります。どのタイミングでどういったニーズが発生しているかを予測し、マーケティング活動を行うことで、「ちょうどこれが欲しかった」というタイミングでセールス活動をすることはとても効果的です。

そのため、ECにはCRMとの連携は必須の機能です。また、効率化を測っていくためにはその上でしっかりとMAを起動できる必要があります。機動力のあるCRMはパーソナライズにとって欠かせない要素です。

効果のあったマーケティングを読み取る分析機能の充実

連動広告はgoogleでのリターケティングを活用します。これは少しCRMと離れますが、どの顧客にどういった広告がフィットしたのかを知ることは大きな情報になります。効果的に運用されるためには分析機能ん充実は欠かせません。どういった層にどのようにアプローチしていくかということを考えることは広義の意味でのパーソナライズです。広告についてもパーソナライズされる必要が高くなってきています。

実際のところ、これはいわゆるWEB広告の話にとどまるものではありません。メールマガジンの内容やクーポンの発行タイミングなども分析による背景があってこそのものとなります。

どういったタイミングで多くのコンバージョンが生まれるのか、どういったタイミングでリード(顧客候補)へとユーザーが変換されていくのかをしっかりと分析ツールを通して見ていく必要があります。

カスタマイズできる心地よさも

パーソナライズは提供するサイト側がユーザーに合わせていく作業ですが、もちろんユーザーが選べることも同様に重要です。例えば決済について考えて見ましょう。普段利用している決済方法はある日突然違う方法にしてい統一したいと思うかもしれません。こうした変化はだれにでも起こります。

そうした場面で自らが設定できることの快適さはとても重要です。「WEBの良さは自ら選択していけることにある」ということも忘れてはいけません。そしてそれは買い物においても同様です。

どういった時にどういった買い物をしたいのか、何が必要なのか、どうなると自分が快適なのかということをユーザー自身が選択できるようにすることもECにとっては必要な機能です。

パーソナライズでECプラットフォームを選ぶならtri-co

tri-coはかいながリリースするECプラットフォームです。W2 Solutionsが提供するECパッケージを元に、ECサイトのエンドユーザー、販売者、運営者のそれぞれが満足するためのECは何かを考えて開発されました。

そのため、大きな特徴の一つにユーザーにとっての利便性をいかに考えたものにECサイトを構築可能か考えているところにあります。

ECパッケージは柔軟性の高い構築方法です。そのため、ユーザーのパーソナライズに関する機能を組み込むことが柔軟に可能です。しかし、闇雲に組み込むことは正解につながりません。まず、どういったマーケットへ向けてどんな商品を販売していくのか、どういったユーザーがマーケティングの対象になるのかを絞り込んでいくことが前提として必要です。チャットボットやLINE連携などももちろん可能ですが、まずはコンセプトありきで必要な機能とインターフェースをしっかりと吟味していきます。

tri-coはそうした作業を経てしっかりと購買体験をよりよくなるように演出できるよう設計していきます。

ブランドのコンセプトを軸にした一貫したUI/UXでユーザーの動向にフォーカスし、購買体験を魅力的なものにしていくことで、機能がより活きたものになります。

また、購入に関してのスタイルについてもサブスクリプションでの購入も柔軟にサポートします。定期的に購入したいものであれば、ユーザーが望めばそれを定期購入にする機能も標準で搭載しています。

パーソナライズに関するものでは「記念日カレンダー」機能の存在も忘れてはいけません。買う楽しみとともに人間にはプレゼントする喜びもあります。tri-coにはユーザーそれぞれが持つ記念日を登録できる機能があります。

「あの人はこれが好きだったから、今度贈りたい」と考えることは少なくありません。しかし、肝心の時に忘れてしまうのも人間です。そして結果的に思いもよらぬものを送ってしまって、締まらない結果になったことは誰しもあるでしょう。誰にでも特別な記念日はあり、とても大切なものです。

そうした特別な日の体験をしっかりと演出できれば、贈る人ももらう人も、そして販売する人も皆ハッピーになれます。そんな機能を搭載してみました。

誰かの特別に寄り添えるECサイトが増えて、多くのハッピーが広がることを願っています。

ABOUT US

この記事を書いた人

鈴木隆太 株式会社かいな

1975年生まれ。会社員から2004年よりライターとして活動。雑誌を中心にネット移行への過渡期を経験。主に音楽、文化、医療、マーケティングなどについて執筆。ライター外ではマーケティング、コーチング等。

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