ECプラットフォームを比較しながら最適なものを選ぶ方法〜それぞれのタイミングに合わせ選択方法を解説

2023.02.27

だれでも最高のものを選びたい。どんな道具に対しても皆思うことだと思います。それはECプラットフォーム選びだって同じです。

それなりの期間にわたって利用するものですし、ECでのビジネスの基本になるものでもあるのでその選択は慎重になります。

一方で、ECプラットフォームは数多く提供されているため目移りしてしまいます。そんな時の選択方法はどうすればいいのでしょうか。

基本的にある程度の期間でリニューアルが必要なものでもあります。そのため、場合によっては乗換えするという場面も発生するのがECプラットフォームです。

それぞれのタイミングや状況によって最良の選択肢は変化します。それぞれのシチュエーションに合わせた選択について比較検討法も含めてこの記事で解説していきます。

今、自分たちのECはどんな段階にいるのかを考えてみよう

すべての人にとって共通して最高の選択肢となるECプラットフォームを提案することは困難です。むしろ、そのようなものはないといってもいいかもしれません。

ランキングを作って紹介するような記事は非常に人気があります。しかし、この「カスタムされた選択肢」が最高なものだとした場合、そうしたランキングを参考にすることには意味がないということを指しています。

ECプラットフォームにそれぞれ一長一短があり、提供するベンダーごとに特徴が変わることを考えてみてください。

もし最高の一つのものがわかっていれば、すべてそれに倣うはずです。しかしそうではありません。とはいえそれだけでは何を選ぶべきかがわかりません。そこでまず最初の重要な指標が「今、自分たちのECサイトはどんな時期に来ているのか?」ということを考えることです。

少しタイムラインを考えてみましょう。運営としての視点で考えてみると

最初期

改善期 or  停滞期


拡大期

大体、このような3つの段階が想定されます。実際には2番目に書いた改善期と停滞期を行き来しながら進行していくことになります。また、ここにテクノロジーのことであったり、デザインのトレンドなどが絡み、サイトそのものの陳腐化という、どちらかというと物理的な要素としての時間経過の要素も加わってきます。

客観的に時間的な段階として理解しやすいのは最初期です。2段階目以降の自分たちが改善期なのか停滞期なのか、それとも拡大期なのかを判断するためには課題をリストアップしてみるとわかりやすくなります。

そこで、課題や要望をリストアップして考えてみてください。そうすることで方向性が見えてきます。

拡大期に入っていると判断した場合は、単純なリニューアルではなく、どれだけバッファーを持つことができるかが課題になってきます。その場合、選択の基準は機能などでなく、どれだけのボリュームをこなせる容量を持ったECプラットフォームなのかを考える必要が出てきます。

さて、では実際に選択をする際の比較のポイントを見ていきましょう。

最初期の選択肢のポイント

ECへの最初の船出には不安もありますが、期待の方が大きくなりやすいです。そのため、風呂敷を広げてしまうことが少なくありません。

しかし、世の中なんでもそうですが0を1にするのが大変で、しかも身入りも少ないというのが相場です。ですので、最初期はできる範囲での勝負をすることが大事です。

それでも最近はIT関連の補助金を活用して、それなりの規模のサイトを構えるパターンもあります。それも方法としては悪くありませんが、基本はやはり「最初は小さく」です。

同一の企業が別ブランドを立ち上げて新しいECサイトを持つという場合もありますが、そうした場合は知識が蓄積されているケースもあると思います。ですので最初期という選択からは少し外れてきます。

初めてにオススメのプラットフォーム

初めてのECという視点で考えるとまず1つ選択肢から外せないのがモールです。

モール型ECはたくさんの商品が集まったECサイトです。具体的にはAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったショッピングサイトのことです。

モールでは扱う商品については基本的にほぼ制限はありません。

モールへ出店する最大のメリットは集客しなくても最初からお客さんが存在していることです。もし商品に確実なニーズがあり、競合が少ないのであれば十分な成果を早い段階で得ることができる可能性があります。

また出店に関する登録費も概ね1万円前後で終わります。また、Yahoo!ショッピングであれば登録の費用が発生しません。ですので検索さえされれば早い段階から売り上げが期待できます。

弱点としては販売に際しての手数料がそれなりに発生してくることです。そのため原価率の悪い商品は向いていません。また、カスタムして販売するような商品にもあまり向いていないプラットフォームです。基本的に他社の商品も含めて同じようなインターフェース、同じようなデザインで掲載することになるため差別化したりすることも困難であるということも判断材料として覚えておくといいでしょう。

もう一つ推薦するのはカートASPです。とはいえ、今、このカートASPはECプラットフォームの中でもボリュームゾーンになっているため、その中でも、無料〜¥10000くらいまでの範囲でまずは考えてみるのが王道です。

  • BASE
  • Stores.jp
  • Makeshop
  • カラーミーショップ
  • Shopify

この辺りから選択することをオススメします。BASE、Storesは無料ASPとして大躍進を遂げたカートASPです。無料で開設できるとはいえ、十分に自社ECサイトとしての構築が可能です。

より汎用性をもとめていくのであればMakeShopやカラーミーショップ 、そしてカナダ発のShopifyがオススメです。最初期では途中で方向転換したいと思うことがあるかもしれません。そうした場面ではある程度、発展性の高いECプラットフォームのほうが良いです。

Shopifyは機能をプラグインで柔軟に加えることができ、かなり優秀なASPです。ただし、日本語に完全対応しているわけではないのでテンプレートの改変などが必要な部分もあります。また便利なプラグインが豊富にありますが、追加するとかなりの金額になり月額での料金が高額になる可能性もあります。

すでに顧客がいる新規のEC

すでに事業が進展している中でECへの移行を考えているというパターンは少なくないと思います。こうした場合はもう少し機能豊富なカートASP、あるいはECパッケージも検討の範囲に入ってきます。

この場合、単純なビジネスの拡張ではなく、システムの追加的な側面もあるからです。ECプラットフォームを導入することで効率化を狙うといった視点も必要になってきます。

また、売り上げの面でも自社サイトとして始めた場合もゼロスタートではありません。もちろん新規顧客の獲得という面では作業は初期と同様のスタートになります。しかし、既存のユーザーがECプラットフォームに移行することでユーザーと企業双方の利便性を満たすことができるのであればそれなりに予算を割くメリットは多いにあるといえます。

成功したからリニューアル?それとも停滞を乗換えで打破?

ステップアップしたいと考えている場合も、ECサイトのスペック的に限界を感じてしまっている場合も、どちらも回答になりやすいのがリニューアルです。

この二つはまったく性質の異なる話ですが、根っこにあるものは一緒です。ステップアップしたいという場合はECサイトが運営の要求に追いつかなくなっているということです。そして運営に行き詰まりを感じスペックに限界を感じているのも同じことと言えます。違いは現状がプラスなのかマイナスなのかという点につきます。

それでもこうした状況の違いはなかなか厄介です。それはどちらも同じような選択肢が該当していたとしても予算組みなどに差が出てくるため判断を変えてしまうことがあるからです。

そして、もちろん負けている時に大きく勝負しにくい気持ちになるのは当然です。逆に調子がいいと無駄なことをしてしまうこともあります。こうしたことは企業で取り組んでいてもなぜか起こります。

どちらのケースでも改善したい、あるいはすべきポイントに対してしっかり把握して取り組みことが重要です。

現状のプラットフォームでは限界を感じているというのであれば乗換えを検討します。すでにECを事業として進行させているので、乗換えはのんびりする必要はありませんが、慌てる必要もありません。

しっかりと要件を整理して取り組むことが非常に大事です。

乗換え時に抑えるべきポイント

乗換え時に考えるべきポイントはまずデータ移行についてです。あまりデータの受け渡しのよくないECプラットフォームは選択肢としてよくありません。提供する側として囲い込みたい気持ちはわからないでもないですが、今の時代はそうしたことは非常に困難です。

それでもあえてデータの受け渡しにハードルがある場合はあまりユーザーフレンドリーではないのかもしれません。

制作会社をしっかり選ぶ、提案を選ぶ

リニューアルする場合、多くは自力ではなくWEB制作会社へ依頼するパターンが圧倒的に増えます。その場合はECプラットフォーム選びだけでなく、そうしたビルダーの選択も重要になってきます。もしかするとそれはECプラットフォームを選択するよりも難しい作業になるかもしれません。

制作会社によって対応できるプラットフォームや得意不得意があるので、要望をクリアすることができる制作会社を選択する必要があります。

現状を整理した後、そうした制作会社を複数ピックアップして相談し、提案を受けながら見積もりを取る、あるいはコンペを行うことも考慮しても良いかもしれません。

ECサイトは外見のデザインももちろん大切ですが、それ以上にどんな機能をどのように走らせる設計になっているかが大切です。視覚的なもののインパクトは大きいのでどうしてもそちらに引っ張られますが提案全体を見て判断することが重要です。

もしプラットフォームをすでに決めている時は

次に使いたいプラットフォームを選び終えているケースがあると思います。そうした場合はそのECプラットフォームについてよく知っている制作会社を選択すると作業は圧倒的にスムーズになります。

それぞれのECプラットフォームで特徴が違いますが、それは構築時でも同じです。そのため、すべての制作会社が同じように力を発揮できるわけではありません。

例えばShopifyは独特のソースコード体系を持っています。基本的な部分は同じですが、違う部分も少なからずあり、そうしたことは少しづつ制作に影響を与えることになります。

乗換えのためのプラットフォーム、結局どんなオススメ?

現状を分析せずに乗換えにオススメできるプラットフォームを上げるのは非常に難しいところではあります。それでも、この辺りは選んでおきたいというものを2〜3あげておきたいと思います。

ebisumart

クラウドECと一般的に呼ばれるSaas型ASPの代表格になったebisumart。以前から柔軟な構築には定評がありましたが、課題となる柔軟な構築への強化を行っています。クラウドでのメリットを活かした複数の料金体系を持ち、年間に30以上のプラグインを追加するなど、常にアップtoデイトなECプラットフォームとしてのスタイルを維持しています。

またサポート体制が充実していることもそのセールスポイントの一つになっています。しっかりと要望に応える姿勢をもって運営されていることも、柔軟な構築に対応する証左になっています。

【参考】ebisumart

W2

W2は信頼性の高いECパッケージとしてEC業界内で大きな評価を得ています。ECパッケージとしてのメリットを最大限に生かし、多機能で柔軟な構築を実現するだけでなく、それぞれのめざすフォーマットに近い雛形となるようなサービスを用意しています。

オムニチャネルやD2Cなど目的に合わせて、いくつかのサービスパターンを用意していますが、どれも基本的に豊富な機能を搭載しており、高い安全性も担保されていることは変わりません。

中規模以降へとステップアップを目指す乗換え組にとっては選択肢の一つとして外せないECプラットフォームです。

【参考】w2solution

ECの課題に切り込み、強みを伸ばすtri-co」

最後にお勧めさせていただきたいのは私たちが開発したtri-coです。tri-coは販売者の「売りたい」、購入者の「買いたい」、そしてEC運営者の「働く」をしっかりと反映した共創型ECプラットフォームです。ECの課題となる集客、ユーザーの購入体験、そしてやりがいを育むことのできるバックヤード機能に注目し、ただ多機能なだけではないECパッケージを考案しました。

たとえばECサイトは構造的にSEO的に課題を抱えやすい問題があります。それを独自のCMS機能を搭載することで商品とコンテンツマーケティングで作成した記事との階層を一つにすることができないなどでその効果は限定的なパターンが少なくありません。その問題をtri-coでは難しい設定なしに解決でき、自然検索での流入を最大化しやすくなります。また、ユーザーそれぞれの購入体験を彩るための機能、運営を効率的に進める機能などを中心に揃えている次世代のECプラットフォームです。

もちろんサイトの構築も弊社でサポートします。ECサイト制作には多くの実績を持っていますが、運営運用までもサポートしてきた経験をしっかりと反映させて盛りあげていきます。

まとめ

ECプラットフォーム選びにもっとも必要なのは「適材適所」ならぬ「適時適場」、つまり、タイミングや事情に合わせたECプラットフォーム選びです。もちろん長く使えることは重要ですが、どこかのタイミングで乗り換えするということも考慮し、その時に最良の選択をしてください。

ABOUT US

この記事を書いた人

鈴木隆太 株式会社caina

1975年生まれ。会社員から2004年よりライターとして活動。雑誌を中心にネット移行への過渡期を経験。主に音楽、文化、医療、マーケティングなどについて執筆。ライター外ではマーケティング、コーチング等。

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